第13回 生活費について

今回はご本人を対象に「生活費」についてお伺いしました（回答者数：153）。

生活費（住居費・食費・光熱費など）の主な収入源として、「自分が仕事で得る収入」と回答したのは24％、「働いて得た収入＋家族から援助を受けている」が13％でした。また、「家族からの援助」と回答された方が28％、「生活保護」4％、「障害年金」24％、という結果でした（Q１）。

現在の経済状況については、「普通～余裕がある」と回答した方は全体の約1/3で、「少し厳しい」「かなり厳しい」という回答が６割を超えています（Q2）。

また、経済状況が厳しいと回答された方に伺うと、生活費の中でもっとも負担になっているものは、「住居費」33％と「食費」28％と高率でした。次いで多かったのは趣味や娯楽費（酒・タバコ代などを含む）26％で、医療費をあげている方は13％でした（Q3）。

病気のために仕事に就けなかったり、十分な収入が得られなかったり、経済的に困難な状況にある方は少なくないようです。経済的な困難の中、生活の中でいろいろ節約の工夫をされていることと思います。

統合失調症の方が利用できる福祉サービスには、障害者自立支援医療（精神通院）制度や障害年金など、さまざまなものがあります。どのようなサービスを受けられるか、まずは通院している医療機関の精神保健福祉士（PSW）に相談してみましょう。また、これから仕事を始めたい、仕事の収入を増やしたい、という希望があれば、その相談にものってくれます。通院先に精神保健福祉士がいない場合には、お住いの地域の地域生活支援センターや精神保健福祉センターなどに相談してみましょう。
ただし、タバコ代が負担になっているという方については、健康と節約のため「禁煙」をおすすめします。

この結果は、ご本人を対象に2015年1月～2017年5月の期間にインターネットを通じて実施されたアンケートによるものです。

上島国利（精神科医師）
昭和大学名誉教授