回復を促す家族の接し方
病気の段階ごとに対応のポイントをまとめましたので、参考になさってみてください。
統合失調症の回復のためには、ご家族の協力が大きな助けになります。 病気を発症された当初は、ご家族も動揺したり混乱されることがあると思いますが、そんな皆様のために、病気の段階ごとに対応のポイントをまとめましたので、参考になさってみてください。
監修:白石弘巳 先生
埼玉県済生会なでしこメンタルクリニック院長
東洋大学名誉教授
6.ご家族だけで抱え込まないために
参考ページ:家族の支援ガイド 5.家族の対応ABCはこちら
6.ご家族だけで抱え込まないために
ご家族がゆとりをもった生活を
ご家族のサポートは統合失調症の治療において大きな力となります。でも、時間やエネルギーのすべてを本人のために使い果たしてしまうと、ゆとりがなくなって両親の関係がぎくしゃくしたり、他のきょうだいが親から放っておかれていると感じて情緒的に不安定になったりすることが知られています。そのような家庭環境は本人の回復にも悪影響を与えてしまいます。「家族の問題だから…」と自分たちだけで解決しようと無理をしないでください。ご家族を支えるためのさまざまな社会制度や支援してくれる人のネットワークがあります。積極的に周囲に支援を求めて、ご家族が自分自身の心身の健康を守り、ゆとりをもって本人をサポートするよう心がけましょう。
家族がゆとりをもつために
自分自身の心身の健康を守りましょう
ときには自分だけの時間をもったり、趣味を楽しんだりしましょう
友人に会うなど、人間関係を広くしましょう
困ったことや悩みごとを相談できる相手を見つけましょう
地域の援助サービスや支援窓口を積極的に活用しましょう
困ったときに支援してくれるネットワークづくり
地域で暮らしながら療養するカギは、地域の専門スタッフや相談窓口、家族会など、支援してくれるさまざまな人とのつながりをつくって、上手に力を借りることにあります。困ったことやわからないことがあれば、その都度気軽に相談して、ネットワークを広げていくようにしましょう。
相談に応じてくれる専門スタッフ
病院の主治医や精神科ソーシャルワーカー(PSW)のほか、地域の相談窓口(市町村の障害者福祉の担当課、保健所・保健センター、精神保健福祉センターなど)が相談に乗ってくれます。
特に精神科ソーシャルワーカーは精神科の患者さん専門の福祉職で、年金などの経済的な問題や、社会復帰、地域生活など、日常生活で直面するさまざまな問題について相談を受け、助言・指導・援助をおこないます。
病気や対応法についての理解を深める
ご家族の不安や負担を軽くし療養をサポートしていく上で、病気や対応法についての正しい理解は欠かせません。病院や地域で開かれている「家族教室」では、統合失調症の症状や治療法、今後の見通し、本人への接し方などについて専門家からじっくり話を聞いて学ぶことができます。また、他の家族の体験談を聞くことで、不安や悩みを軽くするのに役立ちます。できるだけ参加しましょう。
家族会に参加してみましょう
家族会は、統合失調症など、精神疾患のある患者さんを抱える家族が互いに悩みを分かち合い、励まし合う集まりです。全国各地(病院・地域)に約1,200の家族会があります。悩んでいるのは自分一人ではないことがわかって気分が楽になったり、話をすることで気持ちの整理ができたり、ときに思いがけない発見や反省すべき事柄もあるかもしれません。ご家族が病気の治療に最も必要な心の安定を保つためにも、ぜひお住いの地域の家族会に参加してみてください。
みんなねっと(公益社団法人 全国精神保健福祉会連合会)
精神に障がいのある方の家族が結成した団体です。全国の家族と家族会をつなぎ、精神障がいのある本人と家族が安心して暮らせる社会をめざして支援を行っています。電話相談も行っています。
電話相談Tel:
03-5941-6346【毎週水曜日10時~ 15時(12 ~ 13時を除く)】
事 務 局 Tel:
03-5941-6345 http://seishinhoken.jp/
みんなねっとサロン(ご家族向け)
精神疾患・障害のある方と過ごすご家族が、直面している出来事や抱える気持ちなどを、パソコンやスマートフォンを通じて匿名で相談し合う場です。
(登録無料、ご家族専用の交流サイトです)
https://minnanet-salon.net/service
COMHBO(コンボ)(特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構)
精神障がいをもつ人たちやその家族などが主体的に生きていくことができる社会作りを目指している団体です。精神疾患をかかえるご本人向けの初めての情報誌、メンタルヘルスマガジン「こころの元気+plus」を発行しています。
https://www.comhbo.net/