認知症介護の大きな悩みは、お金の問題。
助け合う家族が、争わないために。

クリックすると、皆さんの悩みと
それについての声がご覧いただけます。

お金の悩み

お金の心配をせずに介護ができたら、どんなによいでしょう。ですが、現実は厳しく、介護とお金は切っても切り離せません。「あると思っていたお金がなかった」という話もよく聞きます。
まずはどのくらい貯蓄があるのか、年金はいくら入るのかを把握して、今後の介護生活のシミュレーションをしてみましょう。
ひとりで2人、3人と複数の人を介護している方も増えてきました。当然お金もたくさんかかりますし、お金がらみで起きてくるトラブルも多くなります。あれこれ課題は山積みですが、一つずつクリアしながら取り組んでいきましょう。

介護費用の不安

介護費用の不安

母は、ほんの少ししか年金がないので、全部私が面倒をみています。施設はお金がかかると聞いたので、この先が心配です

介護費用の不安

両親二人が認知症です。施設に入るにはどのくらい必要なのかと思っています。子供も小さいので親に出すお金はありません

介護費用の不安

「父の介護にこの先お金がかかるから」と父名義の土地を売ったの。そしたら収入が増えて今年は3割負担。1年間は大変です

介護費用の不安

母は借家を持っているので3割負担です。でも介護保険って上限が決められているので、それを超えると自治体から介護サービスの利用料が返ってきますよ

施設入所にはお金がかかります。有料老人ホームに入所できる貯えがある家庭はそうはありません。在宅介護を基本にし、介護度4・5になってから特別養護老人ホームを利用するケースが一般的です。
在宅介護を長く続けるには、最初からデイサービスやショートステイなどを使って介護する方のゆとりを作り、自分自身の人生も楽しむ時間を持つことが大切です。楽しみがあれば介護の負担も和らぎます。節約のためにサービスを使わず無理をすると、かえって介護する方が疲れ果て、入所が早まる傾向にあります。

お金の管理ができない

お金の管理ができない

これまで家計のことはすべて妻に任せていたのですが、気がついたら貯蓄がほとんどなくなっていました。何に使ったのかさっぱりわかりません

お金の管理ができない

実家に段ボール箱が山になっていてビックリ。通販で定期購入の健康食品をあれこれ買っていました。返品もできず解約するのが大変でした

お金の管理ができない

知人から高額な化粧品を買わされているようで、10万円のメモが何枚もあります。家に入れないように言っても、「あの人いい人よ」と言います

お金の管理ができない

実家の片付けをしたら、固定資産税や公共料金の督促状だらけで驚きました。慌てて支払ってきました。電気が止められなくてよかったです

認知症の初期には、「まだ大丈夫」と感じているうちに、お金にまつわる問題が起きることがあります。ATMが使えない、テレビショッピングで次々と注文するなど、介護者交流会でもよく出る話題です。家族が預かるなど、できるだけ早いうちに家族がお金の管理を始めるのが安心です。
ですが、初期のうちは認知症の方の拒否が強く、なかなか家族の介入が難しいケースもあります。認知症の進行とともにご本人の関心やこだわりが変わってきますので、時間が経過することで関わりやすくなります。銀行によっては、登録すると家族がご本人の代理人としてお金の出し入れをすることもできます。

思うように使えない

思うように使えない

介護しているのは私ですが、母の通帳は兄が管理しています。「サービスを使いたい」と言っても、「必要ない」と言われ使わせてもらえません

思うように使えない

私は母の介護で仕事を辞め、今は働いていません。姉からはお母さんのお金を私が勝手に使っていると疑われてきついことを言われます

思うように使えない

父がお金の管理をしています。いつも母を怒っているので、デイサービスを使って父と母を離したいのですが、お金がかかることは拒否されます

思うように使えない

義母が入院中です。義姉が来て義母の部屋でごそごそしていました。通帳や宝石など金目の物をみんな持って行ってしまいました

介護には、意外と目に見えない費用が多くかかるものです。ですが、介護していない人にはわかりません。話し合いで解決できるなら、どんなによいでしょう。いくらお願いしても簡単には聞いてもらえないことが多く、結局は喧嘩になってしまうこともあります。
介護する方にとって、気持ちの行き違いは精神的にも負担が大きく、「なんで‼」と感情的になってしまうこともあります。特に兄弟姉妹間では、相続問題も後に控えていますので、厄介です。ひとりだけでがんばるのではなく、医師やケアマネジャーなどを介して必要性を伝え、介護サービスを利用しやすい方向に持っていきましょう。

相続問題

相続問題

父を同居で介護しました。父の相続財産は今私が住んでいる家だけです。弟妹からは相続は3等分と言われ、自分の貯金から払いました

相続問題

同居で父の介護をしました。介護中は相続を放棄すると言っていた姉ですが、義兄から「もらえるものはもらえ」と言われ、姉ともめています

相続問題

相続となると関係のない人が口を挟んでくるんですよね。うちは3人の息子がもめそうなので夫が元気なうちに遺言書を書いてもらっています

相続問題

認知症の初期の頃に、妹は自分が財産を相続できるよう母に遺言書を書かせていました。亡くなって初めて遺言書があることを知りました

看取った後、相続のことでトラブルになる家庭は少なくありません。お金があってもなくても、相続は感情が絡みやすい問題です。良心だけで解決できないのが相続です。「うちに限って相続問題はない」と思わないようにしましょう。
遺言書がなければ、法定相続分※1となり、介護したことに対する寄与分※2が認められたとしても、主で介護していた家族が納得できる結果は難しいでしょう。ですが、それが現実です。元気で判断能力のあるうちに、遺言書を書いてもらうこと、そして介護にかかった費用をきちんと記録して残しておくことが、後々の助けになります。

※1

法定相続分:遺言がない場合に、法律で決められている相続の取り分の割合のことです。

※2

寄与分:介護などで、亡くなった人の財産を増やしたり、維持したりするのに特に貢献した相続人に対して、多めに相続できるようにする仕組みです。

その他の悩みごとを見る