尾之内 直美 氏(公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部 代表)
元介護家族、26歳から子育て・仕事をしながら、認知症の義父と寝たきりの義母の介護。
平成8年より愛知県支部代表、現在は本部の常任理事としても活躍している。
自らの介護体験と長年の活動から蓄積してきた認知症介護のノウハウを通して、主に介護家族の支援に力を入れた活動に取り組んでいる。電話相談・介護者交流はもとより、独自に考案した「家族支援プログラム」では、これまで4000人を超える介護者が受講し元気を得ている。
著書:共著「介護者家族をささえる」
「自信がつくつく家族支援」
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認知症介護の大きな悩みは、お金の問題。
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お金の悩み
お金の心配をせずに介護ができたら、どんなによいでしょう。ですが、現実は厳しく、介護とお金は切っても切り離せません。「あると思っていたお金がなかった」という話もよく聞きます。
まずはどのくらい貯蓄があるのか、年金はいくら入るのかを把握して、今後の介護生活のシミュレーションをしてみましょう。
ひとりで2人、3人と複数の人を介護している方も増えてきました。当然お金もたくさんかかりますし、お金がらみで起きてくるトラブルも多くなります。あれこれ課題は山積みですが、一つずつクリアしながら取り組んでいきましょう。
介護費用の不安
施設入所にはお金がかかります。有料老人ホームに入所できる貯えがある家庭はそうはありません。在宅介護を基本にし、介護度4・5になってから特別養護老人ホームを利用するケースが一般的です。
在宅介護を長く続けるには、最初からデイサービスやショートステイなどを使って介護する方のゆとりを作り、自分自身の人生も楽しむ時間を持つことが大切です。楽しみがあれば介護の負担も和らぎます。節約のためにサービスを使わず無理をすると、かえって介護する方が疲れ果て、入所が早まる傾向にあります。
お金の管理ができない
認知症の初期には、「まだ大丈夫」と感じているうちに、お金にまつわる問題が起きることがあります。ATMが使えない、テレビショッピングで次々と注文するなど、介護者交流会でもよく出る話題です。家族が預かるなど、できるだけ早いうちに家族がお金の管理を始めるのが安心です。
ですが、初期のうちは認知症の方の拒否が強く、なかなか家族の介入が難しいケースもあります。認知症の進行とともにご本人の関心やこだわりが変わってきますので、時間が経過することで関わりやすくなります。銀行によっては、登録すると家族がご本人の代理人としてお金の出し入れをすることもできます。
思うように使えない
介護には、意外と目に見えない費用が多くかかるものです。ですが、介護していない人にはわかりません。話し合いで解決できるなら、どんなによいでしょう。いくらお願いしても簡単には聞いてもらえないことが多く、結局は喧嘩になってしまうこともあります。
介護する方にとって、気持ちの行き違いは精神的にも負担が大きく、「なんで‼」と感情的になってしまうこともあります。特に兄弟姉妹間では、相続問題も後に控えていますので、厄介です。ひとりだけでがんばるのではなく、医師やケアマネジャーなどを介して必要性を伝え、介護サービスを利用しやすい方向に持っていきましょう。
相続問題
看取った後、相続のことでトラブルになる家庭は少なくありません。お金があってもなくても、相続は感情が絡みやすい問題です。良心だけで解決できないのが相続です。「うちに限って相続問題はない」と思わないようにしましょう。
遺言書がなければ、法定相続分※1となり、介護したことに対する寄与分※2が認められたとしても、主で介護していた家族が納得できる結果は難しいでしょう。ですが、それが現実です。元気で判断能力のあるうちに、遺言書を書いてもらうこと、そして介護にかかった費用をきちんと記録して残しておくことが、後々の助けになります。
- ※1
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法定相続分:遺言がない場合に、法律で決められている相続の取り分の割合のことです。
- ※2
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寄与分:介護などで、亡くなった人の財産を増やしたり、維持したりするのに特に貢献した相続人に対して、多めに相続できるようにする仕組みです。
認知症介護 悩みごとの集い
執筆:尾之内
直美
氏(公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部
代表)
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