尾之内 直美 氏(公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部 代表)
元介護家族、26歳から子育て・仕事をしながら、認知症の義父と寝たきりの義母の介護。
平成8年より愛知県支部代表、現在は本部の常任理事としても活躍している。
自らの介護体験と長年の活動から蓄積してきた認知症介護のノウハウを通して、主に介護家族の支援に力を入れた活動に取り組んでいる。電話相談・介護者交流はもとより、独自に考案した「家族支援プログラム」では、これまで4000人を超える介護者が受講し元気を得ている。
著書:共著「介護者家族をささえる」
「自信がつくつく家族支援」
外部サイトへ移動します。
大塚製薬株式会社のウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。
これより先の外部サイトの内容について、大塚製薬株式会社は一切の責任を負いません。
また、ご利用になる際は、リンク先の規約に従ってください。
外部サイトへ移動します。
大塚製薬株式会社のウェブサイトをご覧いただきありがとうございます。
これより先の外部サイトの内容について、大塚製薬株式会社は一切の責任を負いません。
また、ご利用になる際は、リンク先の規約に従ってください。
認知症の介護がはじまった時、
誰もが混乱してしまいます。
クリックすると、皆さんの悩みと
それについての声がご覧いただけます。
介護する方の初期の葛藤
認知症の初期は、物忘れが増えたり、これまでと少し違う言動が見られたりして、家族は「えっ? どうしちゃったの(驚き)」「まさか認知症?(戸惑い)」「そんなはずない(否定)」と内心ひどく動揺します。それと同時に認知症の症状にどう対応したらいいのか、介護保険って? 将来どうなる? などの不安が次々襲ってきます。なるべく早い時期に地域包括支援センターや介護者交流会につながり、適切な情報や思いを共有できる仲間が得られるといいですね。
つい怒ってしまう
認知症になると記憶障害(物忘れ)があらわれ、同じことを何度も言ったり聞いたりします。怒ってはいけないと言われますが、元気な頃を知っている家族には、とても難しく穏やかに対応できるまでには時間もかかります。思うように優しくできない自分を責めてしまう方も少なくありません。
介護者交流会でほかの人の話を聞いてみましょう。「穏やかに対応できないのは自分だけではなかった」とわかるだけでも気持ちが楽になります。その場を少し離れるとか、怒った顔を見られないように、後ろを向くなども一つの方法です。
私のことを疑うなんて
物盗られ妄想は、認知症の初期に起こることがあります。一番身近で頼れる存在の人が泥棒にされがちです。いくら認知症の症状とはいえ、疑われるのはとても腹立たしく辛いことです。認知症になると一つのことにこだわり続けるのでしばらくは続きますが、時間の経過とともに症状が変化してきますので、徐々に、物盗られ妄想はなくなります。必死になって訂正しようとすればするほどうまくはいきません。可能であれば、そのような時期にはなるべく接触を減らし、デイサービスの利用などで他のことに関心を向けられるようにしていくとよいでしょう。
あんなにしっかりしていたのに
家族が認知症になったことを受け入れるのは、とても難しく時間がかかります。家族は「なんとか治したい」「認知症が進まないように」とがんばります。ですが、家族の思いが強ければ強いほど認知症の方にとっては重荷になりがちです。
どうしても「できなくなったこと」に目が向きがちですが、大切なことは「できること」に目を向け、その力を上手に活かせる場を見つけることです。デイサービスや認知症カフェ、自治体の予防事業などを利用して楽しく過ごせる時間を増やしていきましょう。
なぜ自分が介護
しないといけないの
それぞれの家庭でさまざまな思いや事情があり、大切な家族だからこそ、複雑な気持ちになることもあります。「なぜ私が介護しなければいけないのか」と戸惑う方も少なくありません。周りの協力が得られなければなおさら「なぜ私だけ」と腹立たしく感じます。逃げるわけにもいかず仕方なく介護を担っている方も。
しかしネガティブな気持ちを抱えた介護は、より負担感が増してしまいます。前向きに自分の気持ちを切り替える力も必要です。そのためには、まずは自分のことを一番に考えてください。サービスを上手に活用して自分なりの介護の仕方を見つけましょう。あなたのやり方でよいのです。
認知症介護 悩みごとの集い
執筆:尾之内
直美
氏(公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部
代表)
その他の悩みごとを見る
