認知症が進む中で、
さまざまな問題が起こり戸惑うものです。

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それについての声がご覧いただけます。

認知症の方への対応について

認知症の介護で精神的にもっとも大変なのは初期から中期です。この時期は、できることとできないことが入り混じっているため、その言動に振り回されて介護する方は疲れてしまいます。この時期をどう乗り超えるかが、とても大切なポイントです。
「怒ってはいけない」と言われますが、わかっていても身近な家族の介護は、そう簡単ではありません。認知症の介護は「いいかげんがちょうど いい ・・ 加減」です。いかに無理をしすぎないか、介護者交流会に参加して皆さんの介護の様子を聞いてみましょう。介護者交流会は介護のコツが満載です。自分だけではなかったと気持ちも軽くなります。

勝手に持ってくる

勝手に持ってくる

散歩に出かけると、近所の庭先の花を盗ってきて仏壇に供えるんだ。「それはよその家のだからダメだ」って言ってもいうことをきいてくれない

勝手に持ってくる

義母は、農家の人が捨てたネギを朝晩自転車で拾ってきます。家中ネギの匂いで臭くて臭くて…。捨ててもまた拾ってくるので毎日戦いです

勝手に持ってくる

うちは資源ゴミです。ゴミ置場から目に付いた物を持ってきます。ひとり暮らしなのでどうしたらいいのか。家中ゴミだらけです

勝手に持ってくる

母はスーパーのトイレからトイレットペーパーを持ってきた時期があります。謝って返しに行ったりしていましたが、半年くらい続きました

傘、果物、石、トイレットペーパーなど、こだわる物は人それぞれで、わりとよくみられる症状の一つです。必ずご本人なりの理由がありますが、認知症により「持ってくるとどうなるのか」までは考えが及ばないことがあります。残念ながら、注意したりしてもやめることは難しいです。
デイサービスの利用を増やし、昼間ひとりで出歩く回数を減らしましょう。長く続くことは少ないですが、他人に迷惑をかけてしまうこともあり、家族の心労は大きいものです。決まった物や同じ場所から持ってくることが多いので、気づいたら早めに相手先に事情を話し、謝罪や代金の支払いなど誠実に対応し、理解を得ましょう。

お金の困りごと

お金の困りごと

通帳の再発行はこれで3回目です。どこかに入れ込んで、「ないない」と大騒ぎするので困っています。いい加減にしてほしいです

お金の困りごと

うちの父は、昔勤めていた会社に「給料をもらう」と言って出かけます。会社から困って連絡がきますが、止めても目を盗んで出かけてしまいます

お金の困りごと

デイサービスにお金を持っていきたがります。デイサービスからは「持ってこないで」と言われているので対応に困っています

お金の困りごと

母が「これ期限が切れているから捨てるね」と言って、定期預金の証書を出してきました。捨てられなくてよかった! 100万もあったの

これまでの長い人生でお金は「大切な物」でした。ですから認知症になってもお金に対する関心はなくなりません。それどころか不安から執着が強くなったり、大切にしまったはずがどこに置いたかわからなくなったりして、いろいろなトラブルが起こります。
お金の管理はわりと早い段階から難しくなるので、できるだけ早めに取引のある銀行・証券会社・保険会社などを確認しておきましょう。ご本人の意思を尊重しながら、安心してお金を管理できるよう少しずつ準備を進めていくことが大切です。
身近な人ほど、物盗られ妄想の対象になりやすく、「財産を狙っているのでは」と警戒されますので、対立しないように関わることが大切です。

運転をやめさせたい

運転をやめさせたい

この前、たまたまお袋が運転している車と出会って、後ろを走ったら、危ない危ない。
これは早くやめさせないと、と思いました

運転をやめさせたい

夫の車の傷が増えてきているんです。車庫に入れるのも上手に入らないし。横に乗ってても心配で心配で。でも免許の返納はしてくれません

運転をやめさせたい

ディーラーさんに協力してもらい修理していることにしたのですが、1日に何度も電話をかけるので根負けして嘘がバレました

運転をやめさせたい

物忘れを利用しました。鍵は隠しておいて「お父さん鍵をどこにやったの」と、父が置き忘れていると言い通して運転をさせないようにしました。

「どうやって運転をやめてもらおうか…」、多くの家族が悩むところです。認知症と診断されると運転はできませんが、「はい、わかりました」と素直にやめてくれる人はほとんどいません。
鍵を隠したり、車を隠したり、故障していることにしたり、医師や警察から言ってもらったり、あの手この手と苦労します。実際に何が功を奏すかわかりませんが、家族が必死になるほどご本人の車への思いが強くなることもあります。
デイサービスの利用につなげるなど、認知症の方の関心事をそらしていく対策も考えてみましょう。

排泄の困りごと

排泄の困りごと

最近よく失禁するようになったので、紙パンツを使ってもらいたいのですが、「なぜ私が使わなくちゃいけないのか」と嫌がってはいてくれません

排泄の困りごと

うちも私が言うと紙パンツを嫌がるので、デイサービスの職員の方に勧めてもらったら、抵抗なく使えるようになりました

排泄の困りごと

うちは、漏れるのが気になってティッシュをいっぱい当ててそれをトイレに流すので、詰まって大変でした。修理代もずいぶんかかりました

排泄の困りごと

タンスの中のパンツを全部紙パンツにしました。パンツがないと言うので「今はこれに替わったよ」と言ったら、はいてくれるようになりました

認知症が進んでくると排泄に関する困りごとが起きてきます。排泄は誰にとっても必要なことなので、どうしても避けて通れません。最後まで介護する方を悩ます困りごとです。ひとりでの片付けは、辛くて泣けてくることもあります。
困りごとは進行の段階によって変わってきますので、介護者交流会で、その時々の困りごとを相談してみましょう。経験している人は多いので、具体的な話がいろいろと聞けてヒントがもらえます。認知症の介護は知恵比べです。失敗しながら自分なりのやり方を見つけていくのも認知症介護です。ショートステイを活用して自分の休む時間も作りながらやっていきましょう。

認知症介護 悩みごとの集い
執筆:尾之内 直美
公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部 代表

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