• 家電・家具を壊してしまう

    家電・家具を壊してしまう

    テレビのリモコンを突然投げて、壊されてしまったんです

    ご家族の困りごと
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  • 家電・家具を壊してしまう

    家電・家具を壊してしまう

    使い方がわからなくてイライラする

    認知症の方の気持ち
    認知症の方の気持ち
このようなとき、どうする?
このようなとき、どうする?

01

まずは安心感を与えて、
気持ちが落ち着くようにしましょう

ご本人と視線を合わせ、ゆっくり優しく話しかけて気持ちが落ち着くようにしましょう

こちらに示した例のように、認知症の方が物にあたって壊してしまった場合、まずは認知症の方の気持ちが落ち着くように対応することが必要です。興奮状態が続くことは、認知症の方にとっても苦しいものです。認知症の方が少しでも早く落ち着けるよう、否定することなく気持ちに寄り添った姿勢で接することが大切です。焦った話し方や大きな声は認知症の方の混乱を助長する可能性があるので、ゆっくり・穏やかに話しかけることを心がけましょう。その際、視線を合わせながら話すとより安心感を与えることができます。また、手を軽く添えたり、背中を優しくさするなど、身体的な安心につながるスキンシップが有効な場合もあります。ただし、興奮している状態では触れられるのを嫌がる場合もありますので、認知症の方の反応を見ながら慎重に対応してください。

02

物を壊す行動の背景には、
どんな気持ちが隠れているのか探りましょう

焦りや混乱から、衝動的になってしまう。その原因を、探ってみましょう

認知症の方が落ち着いたのを確認できたら、物を壊してしまった原因を探りましょう。原因を明らかにすることがその後の適切な対処につながります。

認知症の方が物にあたって壊してしまう行動には、さまざまな背景が考えられます。こちらに示した例では、リモコンが使えないことで生じた焦りや混乱がいらだちにつながっています。しかし、こうしたいらだちが一時的なものではなく、日々のストレスが積み重なった結果として行動に出てくる場合もあります。そのため、理由を探ると同時に、普段から同じようなイライラを感じていないかを見極めることも大切です。

認知症の方は、自分の気持ちを説明することが難しくなっている場合もあるので、質問はシンプルかつ具体的にし、答えやすい内容にするとよいでしょう。「何が理由で壊したの?」といった漠然とした聞き方ではなく、「ボタンを押したけど動かなかった?」、「チャンネルを変えようと思ったの?」といった具体的な質問が効果的です。また、「動かなかった?」、「音が大きかった?」など、選択肢を提示すると答えやすくなります。もし言葉が詰まって答えが返ってこない場合は無理に答えを引き出そうとせず、行動や状況を観察して原因を探るようにしてください。

ただし、ここに挙げた出来事は一例に過ぎません。理由や対処法は一様ではありませんので、認知症の方それぞれの状況や気持ちに応じて、柔軟に対応することが重要です。

03

操作が簡単な物を選んでストレスを減らしましょう

高齢者に向いたシンプルで使いやすい製品を

認知症の方がリモコンを正しく使えないという状況は、たくさんあるボタンそれぞれの役割がわからなくなってしまったことが原因で起こることがあります。このような場合、高齢者向けに設計された市販のリモコンを使うことで、改善できる可能性があります。高齢者向けリモコンは、ボタンの数が少なく大きくデザインされており、操作が簡単です。また、耐久性が高く、壊れにくい素材でつくられている物もあり、認知症の方でも安心して使うことができます。

さらに、リモコン以外にもワンタッチで操作できる電気ポットや温めるだけの単機能電子レンジなど、できるだけシンプルな操作で使える物を取り入れることが大切です。認知症の方が日常的に使うものを工夫することは、ストレスを減らし、衝動的な行動を防ぐための重要な手段になり得ます。こうした取り組みは、認知症の方が安心して生活できる環境づくりにもつながります。

主治医に相談する際のポイントをまとめました。

こちらにご紹介した症状および対処法は一例であり、すべての方に当てはまるわけではありません。個別の状況に応じた対処法は異なりますので、このような症状でお困りの方は、ぜひ主治医に相談してください。
主治医に相談する際のポイントをまとめた、こちらの「相談シート」をぜひ活用してください。