• トイレ以外で用を足してしまう

    トイレ以外で用を足してしまう

    間違えて浴室で用を足してしまうんです

    ご家族の困りごと
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  • トイレ以外で用を足してしまう

    トイレ以外で用を足してしまう

    おかしいわねえ、トイレだと思ったのに

    認知症の方の気持ち
    認知症の方の気持ち
このようなとき、どうする?
このようなとき、どうする?

01

少しでも不安を感じたら、
周囲の協力を仰ぎましょう

ひとりで抱えずに、「少し気になる」ときが
相談のタイミングです

認知症の方が、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがあります。家族にとっては驚きや戸惑いを覚える場面ですが、ご本人にとっては「ここがトイレだ」と思い込んでいる場合が多くあります。こちらに示した例では、便意などの排泄感覚をしっかり持っています。ただ、白く丸みを帯びた浴槽を便器と誤認したり、場所の認識が曖昧になる見当識障害の影響により、誤った場所での排泄に至っています。このようなときに責めたり叱ったりすると、不安や自信喪失を招き、さらなる排泄トラブルの原因になりかねません。「また怒られるかも」と思ってトイレの場所を尋ねられなくなり、失禁につながることもあります。

排泄の問題には、身体の変化、認知機能の低下、環境との不適合など複数の要因が関わっており、家族だけで抱えるには限界がある場合もあります。排泄に関わる出来事は、ご本人にとっても家族にとっても非常にデリケートで大きなストレスになる問題です。「どう対応すればよいか迷う」「少し気になる」と思ったら、医師やケアマネージャーに早めに相談することをお勧めします。少しでも不安を感じたときこそ、相談するタイミングです。

02

間違えないような環境づくりをしましょう

案内シールを貼るなどして誘導するのもおすすめです

排泄の失敗を改善するには、「どうすれば間違えずにすむか」を意識した環境づくりが効果的です。浴槽を便器と誤認する場合は浴槽のふたをしておくことで、中に排泄してしまうのを防ぎやすくなります。

ふたは、折りたたみ式やシャッター式と呼ばれるタイプのものがおすすめです。折りたたみ式は数枚の板がつながっていて、パタパタと折って開閉する形式、シャッター式は表面が波状になっていて、くるくると巻き取るように開け閉めする形式です。どちらも便座のふたとは違う見た目になるため、視覚的な混同を防ぎやすくなります。

また、トイレの場所がわからなくなっている場合は、ドアに大きく「トイレ」と表示したり、案内シールを貼って誘導する工夫もおすすめです。さらに、朝起きた直後や食後など、決まった時間に「トイレに行っておこうか」と声をかけて同行することで、排泄を習慣づけることにもつながります。

ただし、ここに挙げた出来事は一例に過ぎません。理由や対処法は一様ではありませんので、認知症の方それぞれの状況や気持ちに応じて、柔軟に対応することが重要です。

03

慌てずに対応できるよう準備しておきましょう

清拭用品・掃除用具をまとめてすぐ使えるよう
準備しておきましょう

思わぬ場所での排泄があった場合は、清潔な環境を整えることを心がけましょう。早めににおいや汚れに気づいて対処することで、次の誤認を防ぐきっかけにもなります。

排泄物が肌に残ると、皮膚トラブルの原因になることがあります。ご本人の肌を守るためにも、ぬるま湯のシャワーや温かい濡れタオル、清拭(せいしき)シートなどでやさしく拭き取ってあげましょう。

こうした落ち着いた対応は、認知症の方にとって「自分の行動が責められていない」と感じられる安心にもつながります。日々の対応をスムーズにするために、掃除道具をまとめておくと、慌てずに対応できて便利です。事前の準備しておくことで、認知症の方の安心にもつながり、家族の負担も和らぎます。

解決の糸口は、
主治医への相談から

主治医に相談する際のポイントをまとめました。

認知症 困りごとナビ 相談シートを見る

こちらにご紹介した症状および対処法は一例であり、すべての方に当てはまるわけではありません。個別の状況に応じた対処法は異なりますので、このような症状でお困りの方は、ぜひ主治医に相談してください。
主治医に相談する際のポイントをまとめた、こちらの「相談シート」をぜひ活用してください。

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