尾之内 直美 氏(公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部 代表)
元介護家族、26歳から子育て・仕事をしながら、認知症の義父と寝たきりの義母の介護。
平成8年より愛知県支部代表、現在は本部の常任理事としても活躍している。
自らの介護体験と長年の活動から蓄積してきた認知症介護のノウハウを通して、主に介護家族の支援に力を入れた活動に取り組んでいる。電話相談・介護者交流はもとより、独自に考案した「家族支援プログラム」では、これまで4000人を超える介護者が受講し元気を得ている。
著書:共著「介護者家族をささえる」
「自信がつくつく家族支援」
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人間関係の悩み
家族にはそれぞれの歴史があります。問題のない家族などありません。そこから生まれたさまざまな関係や感情が介護に影響してきます。良好な関係の家族の介護をするのも辛いですが、関係がうまくいっていなかった家族を介護するのは、心身ともにより大きな負担を伴います。家族だからこそ距離を取りにくく、感情が先に出てしまい、優しくしたいと思っていても優しくできないこともあります。
なかには、これまでの関係性から介護を担うことが難しい人もいます。介護は100人いれば100通りです。「自分が介護しなくては」と思ってがんばりすぎないことが大切です。
親族との関係①
親族それぞれが介護に対して違った意見や希望をもっていたとしても、できれば一番身近で介護をしている方の方針を尊重し、その判断が優先できるようにしたいものです。
介護にあまり関われない場合は、「協力できないなら意見を控える」「できる形で支援する(たとえば経済的に助ける)」「介護する方を労う」、といったことを心にとめておいてほしいものです。特に、施設入所や延命などの重い決断をする際は、あまり周囲の声を聞き過ぎない方が良い場合もあります。医師や介護スタッフと連携し、必要があれば親族への説明もお願いしましょう。
また老々介護は想像以上に心身の負担が大きいことを、周囲で支える人は理解しておくことが大切です。
親族との関係②
「兄弟姉妹との関係が介護で一番の悩みになる」と言う人は多くいます。以前は仲が良かったのに介護が始まったら疎遠になったという話もよくあります。
介護を主に担っている人と、そうでない人との気持ちには大きな隔たりがあり、理解してもらうことは容易ではありません。
親族間で意見が合わないのは当たり前と思っておきましょう。期待しすぎず、「当てにしない介護」を目指して「そんなもの」と受け止めると気持ちが楽になります。
介護者交流会でぜひ話をしてみてください。同じことで悩んでいる人は多いはずです。
ご本人との関係
親子でも夫婦でも、義理の関係であっても、関係が良くても悪くても、相手に対して思うことはいろいろあります。誰もが不安や悩みを抱えながら、そしてうまく対応できない自分の気持ちと向き合いながら日々がんばっています。
認知症の方への対応で思い通りにならないことも多いですが、がんばっている自分を、ぜひ褒めてあげましょう。
認知症の介護は介護する方に気持ちのゆとりがないとうまくいきません。認知症の方と離れる時間も大切です。「自分のできる介護はここまで」と区切りをつけて、サービスを上手に組み込んでいきましょう。サービスを使う力も介護の力です。
近所との関係
家族が認知症になったことを他人には知られたくないと思うのは、ごく自然な気持ちです。診断を受けたからといって、無理に周囲へ言う必要はありません。
仲の良い近所の人やご本人の友人などには、「あれ?」と思われるようなことが起きた時に、少しずつ伝えていくようにしましょう。
気にかけてくれたり助けてくれる人は多くいます。もし近隣とトラブルになった時には、家族だけで解決しようとしないで、地域包括支援センターに相談するのも一つの方法です。
認知症介護 悩みごとの集い
執筆:尾之内
直美
氏(公益社団法人認知症の人と家族の会 理事/愛知県支部
代表)
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