• いつも不安げで落ち着きがない

    いつも不安げで落ち着きがない

    わけもなくおどおどと家の中でも私のあとをついて回るんです

    ご家族の困りごと
    ご家族の困りごと
  • いつも不安げで落ち着きがない

    いつも不安げで落ち着きがない

    できないことが増えて不安で、ついていくしかないのよ

    認知症の方の気持ち
    認知症の方の気持ち
このようなとき、どうする?
このようなとき、どうする?

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安心できる声かけで不安を和らげましょう

シャドーイングは、不安や孤独感、混乱が原因で起こることも。安心できる家族のそばにいたいと感じています

認知症の困りごととして、認知症の方が家族や介護する方の後をついて回る「シャドーイング」と呼ばれる行動があります。シャドーイングは、不安や孤独感、混乱が原因で起こることがあります。認知症の方は周囲の状況を理解するのが難しくなり、安心できる家族のそばにいたいと感じます。こうした場合には、認知症の方が安心できるように、「そばにいるから心配ないよ」、「すぐに戻るので待っていてね」といった優しい声かけが大切です。さらに、好きな音楽を流すなどしてリラックスできる環境を整えることで、認知症の方の不安を軽くできる可能性があります。ただし、不安な気持ちは、みんな一様ではありません。ここに示した出来事は一例に過ぎず、その理由や対処方法は同じではありません。認知症の方に寄り添い、ご本人の状況や気持ちを理解し、それに応じた個別の対応をとることが症状を改善するうえで大切です。

02

役割を持つことで安心感を高めましょう

役割をお願いされることで「必要とされている」と感じ、不安が和らぎます

シャドーイングの背景には、「自分が何をしたらよいかわからない」という戸惑いや、「役に立てない」と感じる不安が潜んでいることがあります。認知症の進行に伴い、できることが減ると「役に立てない」と感じることが多くなり、家族の後ろをついていく行動につながることがあります。

このような場合、たとえば「ごみを出しに行くのを手伝ってくれる?」といった簡単な役割を頼んでみてはいかがでしょうか。役割を得ることで、自分が必要とされていると感じ、安心感や自尊心を取り戻すきっかけをつくることができます。さらに、「ありがとう、助かったよ」と感謝の気持ちを伝えると、より強い達成感を感じてもらうことができます。

また、デイサービスに参加することで、社会的な交流を楽しみながら役割を持つ機会をつくることも可能です。デイサービスの活用は、認知症の方が安心して過ごせる時間が増えるだけでなく、介護負担の軽減にもつながります。

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外出時の不安を減らす工夫にも目を向けましょう

タブレットのビデオ通話などで
「家族の顔」が見えると安心します

シャドーイングによって、認知症の方が調理中の熱い鍋に触れてやけどを負う、階段でバランスを崩して転倒するなど、家の中で事故が発生することがあります。そのため、「今から火を使うから、ここで待っていてね」といった、次の行動を事前に説明するなどの安全対策も必要です。また、急いで動くと、認知症の方が焦って事故につながることもあるため、認知症の方のペースに合わせた余裕のある動作を心がけることも大切です。

家族が外出していなくなってしまうと、認知症の方は見通しの立たない不安や孤独感を覚えることがあります。そのようなとき、「時計の針がここまで来たら帰ってくるから安心してね」と帰宅時間の目安を具体的に伝えると安心しやすくなります。また、見守りカメラやタブレットのビデオ通話を活用すれば、外出中でもお互いの顔を見ながら会話でき、安心につながります。こうしたツールを使うことで、家族は認知症の方の様子を確認でき、認知症の方も外出中の家族の存在を身近に感じることができます。結果として、不安や孤独を和らげ、より安心できる環境をつくり出すことができます。

主治医に相談する際のポイントをまとめました。

こちらにご紹介した症状および対処法は一例であり、すべての方に当てはまるわけではありません。個別の状況に応じた対処法は異なりますので、このような症状でお困りの方は、ぜひ主治医に相談してください。
主治医に相談する際のポイントをまとめた、こちらの「相談シート」をぜひ活用してください。