お薬について

治療に使われているお薬についての簡単な解説です。

薬物治療について

うつ病の治療において、もっとも重要なのは休養です。ただし、ゆっくり体を休めるだけでも数日~1週間ほどで回復が期待できる風邪などとは違って、うつ病は治療に時間がかかる病気で、少しよくなったと思っても再発しやすいのが特徴です。薬で治療することに抵抗のある方もいらっしゃいますが、うつ病は脳の病気ですから、糖尿病や高血圧などの病気と同じように適切な薬物治療を行う必要があります。
ここではうつ病の薬物治療に使用される薬について解説しています。

治療に用いられる薬

抗うつ薬

うつ病治療の基本となるのが抗うつ薬です。脳の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリンなど)の減少をうつ病の原因と考えるモノアミン仮説に基づいて開発されました。ただ、この仮説だけでは説明のつかないこともあり、うつ病のメカニズムはまだ明らかになっていませんが、抗うつ薬には一定の効果が認められています(詳しくは「うつ病が起きるメカニズム」をご参照ください)。
現在、日本で広く用いられている代表的な抗うつ薬はSSRI、SNRI、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)の3種類で新規抗うつ薬と呼ばれ、古くからうつ病治療に用いられてきた三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬よりも副作用が少ないのが特徴です。

抗うつ薬の種類

抗うつ薬の効果を高める薬 <増強療法>

抗うつ薬だけをつかった治療で症状が改善する方は約50%、寛解(症状がなくなること)する方は全体の約30%*1というデータがあり、主治医の指示どおりに治療を続けていてもなかなかよくならないと感じている方は少なくありません。抗うつ薬に非定型抗精神病薬を組み合わせて使う「増強療法」は、抗うつ薬の効果を高めることが知られており、抗うつ薬による適切な治療を行っても十分な効果が認められない場合、効果が期待できる治療法です。

※1

Trivedi,M.H.et al.:Am.J.Psychiatry,163(1),28-40,2006

うつ病薬物治療の増強療法
増強療法に用いられる薬

治療に用いられる薬 - その他 -

うつ病治療では、患者さんの症状に合わせて「抗不安薬」「睡眠導入薬」「気分安定薬」などがあわせて用いられています。

うつ病に用いる薬―抗不安薬
うつ病に用いる薬―睡眠導入薬
うつ病に用いる薬―気分安定薬

うつ病の薬物治療で注意したい4つのポイント

1.規則正しく服薬しましょう

毎日欠かさずに薬を飲み続けることで、薬の血中濃度が保たれ、効果があらわれます。調子の良し悪しで飲んだり飲まなかったりすると、思うような効果が得られませんから、飲み忘れにも注意して服薬しましょう。

2.指示された通りに飲みましょう

きちんと服薬する女の子

抗うつ薬による治療は最初は少量から開始し、症状や副作用を判断しながら徐々に量を増やしていきます。薬の量が増えたからといって不安になったり、自分の判断で量を減らしたりせずに指示された量を飲みましょう

3.気長に服薬を続けましょう

抗うつ薬は飲んだらすぐに効果があらわれるような即効性のある薬ではありません。個人差がありますが、効果があらわれるまで2週間~1 カ月ほどかかることもありますから、あきらめず、気長に服薬をつづけましょう。

4.自分の判断で服薬を中止しないようにしましょう

うつ病は再発しやすい病気です。症状がなくなったように思っても、自分の判断で服薬を中止したり、量を減らしたりせずに、主治医の指示に従って飲み続けましょう。

抗うつ薬の飲みはじめにみられる副作用

SSRI やSNRI を飲みはじめた初期には、吐き気、おう吐、下痢などの消化器系の副作用がみられることがあります。通常、これらの症状は2 週間程度で改善しますが、副作用が気になる場合には主治医に相談してみましょう。

すぐに主治医に相談すべき副作用

副作用を先生に相談する女の子

SSRIやSNRI、NaSSAをはじめとする新規抗うつ薬は三環系・四環系抗うつ薬に比べて副作用が少ない薬ですが、急な増量や減量、あるいは中断によって、下記のような重大な副作用が起きる可能性があります。主治医の指示に従って正しく薬を飲み、副作用が疑われる症状に気づいたら、すぐに主治医や薬剤師に連絡して指示に従いましょう。

抗うつ薬の相談すべき副作用