うつ病ABC
うつ病早わかりガイドです
7.日常生活で気をつけること
7.日常生活で気をつけること
うつ病の再発を防ぐためには、うつ病を発症する引き金となったストレスを避けることが大切です。ここでは日々の生活の中でできるうつ病の再発を防ぐポイントや気をつけたいポイントを整理しておきます。
1 十分な睡眠を心がける
睡眠は、うつ病予防に限らず、脳と体を休ませて健康な生活を送るために欠かせません。規則正しい睡眠・覚醒リズムを保つため、就寝時間と起床時間をできるだけ一定にするよう心がけましょう。寝付けなかったり、早朝に目が覚めてしまったりする場合にはすぐに主治医に相談してみましょう。
2 自分の性格や考え方を知る
うつ病になりやすい方には生真面目、完璧主義、自分に厳しい、凝り性、気を遣うなどの性格がみられることが知られています。すべての仕事に手を抜かず、完璧なものを求めて頑張りすぎてしまったり、疲れを感じても「甘えてはいけない」「他の人の迷惑にならないように」と自分を追い込んでしまったりすることは再発の危険性を高めてしまいます。自分の性格を理解して、無理が重ならないようにコントロールすることが大切です。
3 休養をとる
忙しさのあまり休みをとらないでいると、ストレスが溜まってうつ病を再発する危険が高まります。意識的に休養をとって、ストレスを発散させるようにしましょう。自分が心から楽しめる趣味をもつことも一つの方法です。
4 体のリズムをつくる
うつ病になるとよく眠れなかったり、引きこもりがちになったりするので体のリズムが乱れてしまいがちです。体内時計は25時間でリズムを刻んでいますが、起床後、日光を浴びることで1日24時間の周期とのずれが調整されます。なるべくいつも同じ時間に就寝・起床するようにして、朝起きたら部屋のカーテンを開けて日光を浴びるよう心がけましょう。毎日、規則正しく食事をすることもリズムを整える上で効果的です。
5 栄養バランスのとれた食事をする
食事は睡眠と並んで生きるために欠かせないものです。栄養バランスのとれた食事を心がけ、自分の体をいたわってあげる習慣を身につけましょう。
6 アルコールは控える
適度なアルコール摂取はストレスを発散させる効果が期待できますが、過度の飲酒は依存症を引き起こす危険性がありますので注意しましょう。
7 自動車の運転に注意する
うつ病の急性期には集中力や判断力が低下するため自動車の運転や機械の操作は避けたほうがいいでしょう。うつ病治療に用いられる薬の中には服用中の自動車運転を禁止しているものも少なくありませんから、不安な場合には主治医や薬剤師に相談してみましょう。
8 適度な運動を心がける
適度な運動はストレスの発散に役立つほか、食欲を増進させ睡眠の質を高める効果も期待できます。ただし、過度な運動は逆にストレスになることがありますから、ウォーキングやストレッチなど、自分の体力に合わせて無理なく続けられる運動がいいでしょう。
9 一人で悩まない
困ったことや不安に思うことがあれば一人で悩まずに、家族や友人、主治医に相談しましょう。自分だけではどうしようもないと思える問題でも、他の人に相談してみると解決のヒントが得られたり、それだけで気持ちが楽になったりするものです。また、調子の悪い時には重要な決断を避けて、結論を先延ばしするようにしましょう。