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脳科学から見た統合失調症

3.統合失調症の治療薬

3-2-2新しい抗精神病薬-非定型抗精神病薬

従来からの抗精神病薬-定型抗精神病薬

錐体外路症状とプロラクチンの増加は、その薬物の抗精神病効果とは直接関係しません。 最近になって、このような副作用の少ない抗精神病薬が日本でも発売されるようになりました。
これらの薬物を従来からの定型抗精神病薬と区別して、非定型抗精神病薬とよんでいます。 アメリカでは抗精神病薬の多くの処方がこの非定型抗精神病薬になっているとのことです。
それではどうして非定型抗精神病薬は錐体外路症状などをひきおこしにくいのでしょうか。 現在はっきりと説明できませんが、一つの可能性として、非定型抗精神病薬は従来の抗精神病薬ほどドーパミンD2受容体に固く結合せず、ゆるやかに結合するので、もともと存在しているドーパミンの働きを阻止しすぎないからだろうという説があります(図5)。
あるいは、セロトニンとよばれる神経伝達物質にも作用して、セロトニンとドーパミンの相互作用から錐体外路症状がひきおこされにくくなっているという考えもあります。
また、一部の非定型抗精神病薬はドーパミン以外のいろいろな神経伝達物質の受容体に作用するので、その総合的作用の中から非定型な抗精神病作用がもたらされるのだという人もいます。 非定型抗精神病薬は、従来の抗精神病薬が苦手としていた統合失調症の陰性症状にも効果があるともいわれています。
しかし、これは錐体外路症状がないための見かけの改善なのか、それとも本質的な作用なのかについては、研究者のあいだで意見が一致しません。

図5.非定型抗精神病薬の作用機序についての仮説の一つ

定型抗精神病薬はドーパミンD2受容体に固く結合するので、もともとあるドーパミンの濃度が変動しても関係なく受容体を遮断し続けます。
非定型抗精神病薬はこの受容体に緩く結合するので、ドーパミンが増加した際などには受容体から離れていきます。
その結果、過剰な遮断をひきおこさないので、錐体外路症状もひきおこしにくいのであろうと考えられています。

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