家族の支援ガイド

2.どのような症状ですか?

2-1 陽性症状・陰性症状

統合失調症の症状は、その特徴から大きく陽性と陰性の2つのカテゴリーにわけることができます。陽性症状は幻覚や妄想など統合失調症の目立った症状をいい、対照的に自閉(社会的引きこもり)や感情の平板化などの目立たない症状を陰性症状といいます。陽性症状と陰性症状にはそれぞれ次のような具体的症状があげられます。

陽性症状

【妄想】
明らかに間違った考えや客観的に受け入れられない状況について、強い確信をもってしまうことです。ご本人による説明も他人には理解しがたいものが多く、矛盾点を指摘しても、ご本人はそれを受け入れることが困難になっています。典型的な例としては「テレビやラジオで自分のことが話題になっている」「誰かにずっと監視されている」「自分の考えが外に漏れている」「誰かに操られている」などがあります。
【幻覚】
実際には起こっていないことを、現実的な感覚として知覚してしまうことです。まわりに話している人がいないのに誰かの声が聞こえてくるといった「幻聴」がもっとも多く、ご本人の行動や思考に批判的な内容が多いため、その後の行動にも影響してきます。また、実際には存在しないものが見えたり(幻視)、臭ったり(幻嗅)、感じたり(幻触)する場合もあります。
【思考障害】
思考が混乱してしまい、考え方に一貫性がなくなってしまうことです。そのため会話の内容に脈絡がなくなってしまい、ひどい場合には何を話しているのかわからなくなってしまうこともあります。

陰性症状

【感情の平板化(感情鈍麻)】
ご本人の喜怒哀楽の表現が乏しくなるだけでなく、他者の感情表現に共感することも少なくなってしまうことです。ご本人も感情を感じることができなくなり、周りで起こっていることに関心をもてなくなります。
【思考の貧困】
会話をしていても、比喩などの抽象的ないい回しが使えなかったり、理解できなかったりします。そのため、会話に使われる語彙が減ったり、無口になったりします。
【意欲の欠如】
自発的に何かを行おうとする意欲が無くなってしまうことです。また、いったん始めた行動を続けていくことができなくなります。そのため、仕事や日常的な行動(入浴や着替えなど)に興味がもてなくなり、家族に促されないと行わなくなったりします。
【自閉(社会的引きこもり)】
自分の世界に閉じこもり、他者とのコミュニケーションを取らなくなることです。

2-2 病気の経過と症状

統合失調症は病気の経過により、前兆期・急性期・休息期(消耗期)・回復期にわけられます。それぞれの病期で特徴的な症状が認められます。


全家連『じょうずな対処・今日から明日へ』P.17より改変
前兆期
特に目立つ症状は現れませんが、ご本人は何となく変だと感じています。
不眠、集中力の低下、情緒不安定(いらいらする)などがみられます。
この時期に治療を始めると、治療効果が高いといわれています。
急性期
幻覚・妄想(内容は被害的なものが多い)・混乱など、本人は何かがおかしいと自分の中で感じながらも病気だとは思っていないので、他人にはよく理解できない発言や行動が現れてきます(陽性症状)。
周りの出来事に敏感になり、不安や緊張を強く感じます。
この時期にはできるだけ早く受診し、適切な治療を行うことが重要です。
消耗期(休息期)
治療により症状が落ち着いてきた状態です。
幻覚や妄想などの目立った症状(陽性症状)は少なくなりますが、一方で意欲の低下や引きこもりなどの陰性症状が認められ、長時間睡眠を取るようになります。
一見だらだらとしているように見えますが、回復のためには必要な時期です。
ご家族や周り方がご本人の状況をよく理解し、服薬を規則正しく続け、睡眠と休息を十分取れるようにすることが大事です。
回復期
徐々に心も体も安定してきます。ご本人も活動の範囲を広げる意欲が出てきます。
地域の社会資源も利用していきましょう。
再発予防のために、規則正しい服薬を続ける必要があります。
家族がゆとりの気持ちで接することが大切です。
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