第1回 抗うつ薬はどのくらいで効果がでるの？

今回は「薬の効果」をどのように実感しているかお伺いしました（回答者数：86）。

95%の方が抗うつ薬による薬物療法を受けていて、67%の方は抗うつ薬を1年以上継続していると回答しています（Q1）。抗うつ薬の効果を感じた時期については、2週間以内という方は16%しかなく、1～2カ月かけて効果を感じる方が約40%いらっしゃいます。また、それ以上時間をかけて効果を実感されたという方もいらっしゃいますが、まだ効果を感じていないという方も20%いらっしゃいました（Q2）。

これまでに試した抗うつ薬の種類については、1種類だけの方は約30％と、多くの方が複数種類の抗うつ薬を試したことがありました（Q3）。また、現在、抗うつ薬1種類だけを服用されている方は約半数で、もう半数の方は２～３種類以上の抗うつ薬を併用しておられます（Q4）。

抗うつ薬と一緒に抗精神病薬など抗うつ薬以外の薬を使用することについては、薬を増やしたくないという方が20%いらっしゃいましたが、前向きに使いたいと答える方がほとんどで、少しでも早くつらいうつ状態を脱したいという皆さんの切実な思いからでしょう。

残念ながら、抗うつ薬は即効性のある薬ではなく、今回のアンケート結果からもわかるように、効果が現れるまでの時間や効果には個人差があります。ただ、抗うつ薬にはさまざまな種類がありますし、薬物療法以外の治療を組み合わせたり、抗うつ薬の効果を高める抗精神病薬などの併用（増強療法）もあります。

自分に合った治療法について主治医に相談しながら、あきらめず気長に治療を続けましょう。