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疾患を超えて

私の体験談

体験談、デイケア、作業所
「あれ程僕を思ってくれた人」
東京都 宮澤秀一(本人)

作業所に通い始めて知り合った、男性の職員のTさんについて書きたいと思います。Tさんが作業所に来た事で、すがすがしい風が作業所にも、僕にも吹き込みました。

大学新卒職員のTさんは、ジョークが面白くて、そのキャラクターには独特の物があり、優しい風貌で僕はよく話したし、人なつっこい所が大好きでした。独特というのは、Tさんは例えば皆でやるラジオ体操を勝手にパントマイム風にしてやっていたりするのです。その度に僕はほほえましくて含み笑いを隠せませんでした。しかもハンバーガー屋でハンバーガーを、よくおごってくれたりするのです。何でこんなに良くしてくれるのだろう。毎日の生活ってこんなに彩りがあるんだ、と思いました。

入院中に強い薬を出されてヘロヘロになり、退院して1年デイケアに通ったものの、社会の常識やペースが全く解らなかった僕は、Tさんと一緒に帰り、付き合ううちにすこしずつ世の中が解って来たのです。それから、「今日は池袋のCD屋へ行くから来る?」といわれ付き合うと、当時の僕はとても行った事がない様な輸入CD屋へ行き、CDを20枚くらい買うのです。全く予想外の成り行きと、Tさんの行動力に僕は文字どおり目を丸くしていました。「すごい!!」と思いました。Tさんの行動を真似る事で、すこしずつ僕の行動範囲も広がり、生活が充実して行きました。僕の本当の意味での社会復帰の過程は、Tさんと共にあったのかもしれません。

その後、僕が就労で作業所を離れている間に、Tさんは都内の病院へ移ったそうです。優しくて、面白くて、あれ程僕らを思ってくれた人。Tさんは、いつも僕の心の中に一緒にいます。

東京都 宮澤秀一(本人)