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精神医療ユーザー1000人の声

処方の理解度、説明状況

今回は、ユーザーたちが服薬している薬についてどの程度理解しているのかを取り上げたいと思います。
調査結果から、ユーザーたちに薬の説明が十分に行われているのかどうかという「インフォームド・コンセント」に対する疑問が浮かび上がってきました。

今飲んでいる薬について

グラフを見ても分かるとおり、薬の名前も効果も約半数48.7%のユーザーは理解しています。この項目を基準に各回答項目を比較してみます。

1. 「名前も効果も知っている(48.7%)」に「名前は知っているが、効果はあまり知らない(20.2%)」を含めると68.9%となり、約7割のユーザーが服用している薬の名前を知っています。ですが、そのうち効果については20.2%のユーザーは知らないとの回答です。つまり服用している薬の名前を知っていても、その3人に 1人は、効果について知りません。また、全体の約3割は薬の名前を知りません。そして名前を知らない人のうち,約2人に1人が効果だけは知っています。

2. 「名前は知らないが、効果は知っている(14.5%)」と「名前も効果も知っている(48.7%)」を含めれば63.2%で、約6割のユーザーは薬の効果は知っていると回答しています。しかし、効果を知っている人の約4人に1人、また「名前も効果も知らない(13.1%)」を含めれば、全体の約3人に 1人のユーザーは薬の名前を知らずに服用しています。

3. 「名前も効果も知らない(13.1%)」と「その他(3.5%)」を加えると、全体の5人に1人が「名前も効果も知っている(48.7%)」ユーザーに比べると、名前も効果も知らないまま日常的に無条件で(副作用は別として)服薬しているという傾向がうかがえます。

1?3でみえてくるのは「薬の名前も効果も知っている」ユーザーに対して、残りの各項目回答ユーザー(平均約3人に1人)は、専門医(主治医)からの十分な説明(インフォームド・コンセント)がなされていないのではないかと考えられます。

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薬の説明について

約7割(72.3%)が薬の説明を受けたとの回答です。
しかし、約3割近いユーザーは説明を受けていませんでした。院外処方では、説明を受けた相手は「主治医」が最も多く69.8%で、次に「薬剤師」が55.7%です。

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3. 実際の経済状態は?

院外処方で、同意した上での服薬者は約半数(57.3%)を占めていますが、院外処方ではない服薬者(院内処方、23.4%)は同意しているのかは明確ではありません。同意者:非同意者は7.5:2.5、院外処方:院内処方は7.7:2.3の比率でした。
院外処方のユーザーに関しては、主治医から説明を受けて同意したという人が193人、薬剤師から説明を受けて同意したという人が172人です。

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4. コメント

これらの結果をみて、イヴァン・イリイチイ『脱病院化社会』(1976年)からの引用ですが、「現代医療は病気を取り除く際に健康を取り戻すことをせず、結果的に健康を損なっている。人間は、この見方では一生患者」なのであるとの思いがよぎりました。
ユーザーに対して十分な薬や服薬についての説明(インフォームド・コンセント=正しい情報を得た(伝えられた)上での合意)がなされていないのではないかと考えられます。専門家(人間)は経験的手法で治療及び診察しているとしか思えず、また、そのような意識しかないのではないかとの疑問(疑念)が感じられました。改めて、投薬等の説明の内容としては、名称・内容・期待されている結果のみではなく、代替治療、副作用までも含んだ正確な情報が与えられることが望まれると感じます。
今回取り上げた設問に関連する多くのユーザーの具体的な声(記述)につきましては、調査報告書第2回精神医療ユーザー・アンケート「ユーザー1000人の現状・声」を参照していただきたいと思います。

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