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精神医療ユーザー1000人の声

3 生活状況(就労状況)

精神医療ユーザーにとって、就労とは憧れであり、一昔前までは退院してから親からずっと言われ続けていた事柄です。就労とは、精神医療ユーザーにとっては、夢であり憧れなのです。なぜかと言うと、青年時代に発病したユーザーが多いので、発病によって仕事や学生生活を続けられず,あきらめなければならなかった精神医療ユーザーがほとんどだからです。
では、精神障がい者にとって働くとはどういうことなのでしょうか。健常者と同じように働き、給料をもらい、8時間働き、残業も行い、休日にはどこかに旅行をしたりすることでしょうか。私は、そうは思いません。では、精神障がい者の就労とはいったいどんなことなのでしょか。
私たちのアンケートからは、就労に対して「諦め」もしくは、様々な施設職員から「働きなさい」と強く言われないために、「就労を諦めたり強く希望したりしない」ように思われます。
これから、私たちが2006年度に行った精神医療ユーザーアンケートを基に就労というものを考えて行きたいと思います。

1. ここ3カ月間の生活状況?

3カ月の間どのような生活をしていたのかの質問に対して、施設通所に通っていたが37.7%と一番多く、次にデイケア18.3%と、多くの精神医療ユーザーが、福祉施設系施設に通っていることが分かりました。
オープンにしてパートという仕事で働いている人が7.0%おり、クローズ(精神障がい者だということを伏せて働いているユーザー)も3.3%ありました。
また、職員としてオープンで働いているユーザーは3.5%あり、クローズの1.6%よりも多いという結果がでました。
これには、自立支援センターなど精神医療ユーザーがいつもいるところなどで働いているユーザーが多かったためと思われます。
また、その他の場所としては、自宅9.8%、社会活動9.6%、家業6.1%などとなっています。多くのユーザーが本来の就労からは程遠いということが分かりました。

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2. 家族から就労しろと言われるか

「1?3カ月の間、家族から働くように言われたことがありますか」の質問に対して、言われていないユーザーが73.4%もあり、一昔前の親の考え方が変わった、もしくは、一昔前に言われ続けたユーザーが歳をとったので、働けと言われなくなったのかもしれません。
また、健常者の社会でも就職するのが難しく、若い世代でも派遣社員や日雇いといった仕事をやっている時代ですから、精神障がい者が就職したといっても安易に就職や就労活動ができない社会になっているのかもしれません。それならば、就労することは考えずにいたほうがよいとする親やユーザーが多くなったとも思えます。

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3. 福祉施設の中での就労状況

「1?3カ月の間に施設職員から働くように言われたか」の質問に対して、78.8%の人が働きなさいとは特に言われていないと答えています。以前から言われている人は6.6%、最近よく言われている人が4.5%となっていて、11.1%の人が働けと施設職員から言われているようです。
このアンケートは2006年の7月15日?8月31日にアンケートを配布しており、施設等に対しては、障害者自立支援法が施行されていない時期に実地したため、このような結果が出てきました。2007年度の障害者自立支援法全施行後に調査すれば、もっと違ったデータが出てきるものと考えられます。

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4. 法定雇用率を知っているか

「法定雇用率に精神障がい者がカウントされるようなったが、これを知っているかどうか」を質問したところ、あまり知らないと答えた人が42.9%もいて、まったく知らない人が28.0%、実に70.9%の人が知らないという結果がでました。よく知っていると答えた人はわずか、11.9%でしかありませんでした。この結果は、法定雇用率という言葉を、精神医療ユーザーのほとんどが考えたこともない、聞いたこともないということを示していますし、薬の副作用でこのようなことが考えられないようになっている可能性もあると思います。

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5. コメント

今回は、就労というテーマでしたが、いかに精神障がい者が就労と無縁かが分かっていただけたかと思います。この結果から、日本の精神科病院が行ってきた長期入院により、人間として本来もっている、生きるための術をもぎ取ってきたか、薬の副作用で苦しみ人生のほとんどを失い、人間性すら奪われてきたかが分かると思います。
また、法定雇用率にカウントされる精神医療ユーザーは、国が地方に発行せよと指示する障害者手帳の交付を受けた精神障がい者だけが、その対象とされていますが、中には、未だ交付されていないユーザーも多く、全ての人たちが就労支援を受けられるものではないのです。また、厚生労働省は、作業所の工賃を引き上げるようにすると言っており、なおさら、障害者手帳の交付が100%にならなければ、厚労省が目指す障害者自立支援法には程遠いこと思います。
これからは、障害者が健常者の身近におり、障害者の不得意とすることを健常者が率先して援助しあう体制づくりが必要だと思います。
また、国はマスメディアを利用し、障害者への差別、人権侵害などの人権擁護の活動も、福祉大国である諸外国のように毎日行うことが必要だと思います。

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