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日本一を目指す熱き闘い(前編)
第7回全国精神障がい者バレーボール大会観戦記

全国精神障がい者バレーボール大会は、精神障がい者のスポーツ振興と社会参加を促進することを目的とした全国規模のスポーツ大会で、2007年は、10月13日?14日に秋田県で開催されました。日本一を目指した熱い戦いの模様を取材してきました。

1.選手、監督・コーチ、応援団がそれぞれの想いを胸に

 バシッ!とアタックの乾いた音の後に、ワーッ!という歓声が館内にこだまする。コートからあがる選手の気勢と応援団の声援が入り混じり、狭い体育館は熱気に溢れている。舞台は秋田県横手市にある横手体育館で開催されている全国精神障がい者バレーボール大会。現在のところ、精神障がい者のスポーツ競技として唯一の全国大会だ。
 地元秋田県チームが登場するとその応援もひと際大きいものだったが、出場している地域に関係なくそれ以外のチームにも歓声と拍手が惜しみなくそそがれ、接戦ともなると大きな興奮と相まって館内は熱気に包まれる。全国精神障がい者バレーボール大会を取材したのは今回が初めてだったが、正直、ここまでの盛り上がりは予想していなかった。コート上で懸命にボールを追う選手たち、監督・コーチ、応援団そしてこの大会を影で支えている人々が一体となって、会場全体が何か熱いオーラに包まれているようだった。

 大会には全国8ブロックの地区予選を勝ち上がってきた8つの強豪チームと開催県および次期開催県である大分県からの4チームを含めた全12チームが参加した。まず3チームずつの4ブロックに分かれて予選リーグが行われ、その後、各リーグを1位通過した4チームが決勝トーナメントに進出する。
 昨年の優勝チームは神奈川県の『チームさいとう』。過去3度の優勝経験をもつ高知県の強豪『龍馬クラブ』の4連覇の夢を阻み、今大会でも優勝候補の筆頭として注目されている。

瀬戸隆氏(神奈川県『チームさいとう』監督)

 うちは一枚看板のエースアタッカーを軸に、拾って、上げて、打つという基本を忠実にやって優勝をものにしたチーム。今年はいろんなチームからマークされるでしょうね。今年はセッターが症状悪化のため戦線離脱したのが痛いが、その分、練習量と意気込みでカバーしてきた。今年も優勝を目指しますよ。

 一方の龍馬クラブも昨年の雪辱を胸に巻き返しを狙う。全国大会の常勝チームゆえにどのチームからも「打倒、龍馬クラブ!」と目標にされ、それだけマークも厳しくなる。

一信幸氏(高知県『龍馬クラブ』監督)

 去年はケガと病気で主力メンバーを欠いたのが響いた。今年も大会直前になって主力メンバーが1人病気で出られなくなってしまったが、主力が抜けても準レギュラーのメンバーがその穴を埋めるようにチームの総合力を高めてきたので乗り切れるはず。選手が普段の力を出してくれればまた決勝の舞台に立てると思う。

 かつての大会に比べ、出場チームの実力が伯仲してきていることもあり、「いかにミスを少なく戦うことができるかが勝敗を左右する(一柳伸幸氏・『龍馬クラブ』監督)」。それだけに、全国大会のような極度に緊張を強いられる試合において、いかに平常心で戦えるかがカギを握る。とりわけプレッシャーのかかる場面では平常心を失うことも多く、一度崩れだすと浮き足立ってそのままズルズルいってしまうことも少なくない。それゆえ、どのチームの監督も選手のメンタル面の強さが勝負の分かれ目になると口を揃える。常勝チームといえども、試合の展開いかんによっては足元をすくわれかねない。試合前、選手を覆うピリピリとしたムードからも、試合に臨む緊張感が伝わってくる。
 一方、初出場のチームも意気込みは高い。昨年の北信越大会で優勝して全国大会へのキップを手にした新潟県『ゆ?ばえ』監督の廣田真理子氏がその想いを熱く語ってくれた。

廣田真理子氏(新潟県『ゆ~ばえ』監督)

 北信越大会で優勝したときは本当に感動して、メンバーやスタッフは大泣きしましたね。長年コツコツと練習を積み重ねてきた努力がようやく実を結んだ瞬間でしたから。県内ではなかなか試合経験が積めずに苦労しましたが、地域の方々が練習相手になってくれたりと協力してくれたのが大きかったと思います。初めての大舞台なので普段のメンバーたちの力が発揮できるよう気負わずに頑張ってほしいですね。

『ゆ?ばえ』の応援席から熱い声援を送るのは、北信越大会で惜しくも『ゆ?ばえ』に敗れて全国大会出場を逃したライバルチームの加藤アヤ子さん(新潟県『かめさん』監督)。地元ではライバルだが、新潟代表チームの応援に駆けつけた。「新潟県で初めて北信越大会を勝ち抜いて全国大会出場を果たした『ゆ?ばえ』さんはすごいと思うし、ライバルとして誇りに思います」とエールを送る。それぞれの代表チームの選手や監督・コーチ、そして応援団がさまざまな想いを胸に臨む全国精神障がい者バレーボール大会。コート上では熱い戦いが繰り広げられた。

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