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脳科学から見た統合失調症

4.統合失調症の遺伝子研究

4-4-1最近話題の統合失調症の関連遺伝子

精神疾患が多く見られるスコットランドの大きな家系の研究から、DISC (Disrupted-In-Schizophrenia)と名付けられた2つの遺伝子が注目されています。
DISC1の遺伝子は神経系の発達に関連した働きをしているようです。この遺伝子の異常がすべての統合失調症でみられるわけではありませんが、統合失調症の発症に大きな関与をするのであれば、この遺伝子の機能を探ることは統合失調症原因解明のための重要な端緒になるでしょう。これからの研究が待たれます。 動物実験から統合失調症関連遺伝子を探す試みも行われています。統合失調症のモデルとなる動物が考案されています。
このようなモデル動物の遺伝子を探ることによって、統合失調症そのものの解明にいたろうとする努力もあります。
統合失調症では、ストレスに対する弱さ、刺激に対する慣れの少なさや社会的な行動の減少がみられますので、動物で同様の症状を示すことができれば、少なくとも統合失調症の一部の症状のモデルとなるでしょう。
最近、カルシニューリン(calcineurin)という遺伝子を前頭葉だけで働かなくさせたマウスがこのような症状を示したことから、細胞内での情報伝達やタンパク質の活性化を担っているこの遺伝子の働きが注目されました。
これ以外にも、特定の遺伝子をノックアウトした(生まれつきこの遺伝子が働かなくなっている)マウスでの行動から、統合失調症の原因を考えていくという方法もとられています。

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4-4-2遺伝子研究の将来

最近遺伝子治療が話題になっています。この遺伝子治療を統合失調症で行えるときがくるでしょうか。
遺伝子治療というのは、障害された遺伝子を補ったり、正常な遺伝子に取り替えたりする治療法をいいます。
しかしいまのところ、統合失調症で障害されている遺伝子が報告されているわけではありませんので、遺伝子治療はまだ統合失調症では遠い話でしょう。
しかし、薬物治療などの際に、副作用をおこしやすい遺伝子を調べることによって、副作用を予測できるようになるかもしれません。
そうなれば、その人にあったオーダーメードの治療法を、その人の遺伝子型にあわせて選択できるようになります。
さらに、この遺伝子型をもっている人は、こういう環境因に弱いということがわかるかもしれません。 そうすると今後、その人の遺伝子型を調べることによって、発症の予防法を具体的に確立できるようになるかもしれません。
統合失調症に関連する遺伝子を研究する目的は、病気の原因となっている遺伝子を探しだし、その遺伝子の働きから統合失調症の病気の原因を調べ、さらには予防や治療をすることができるようにすることです。
現時点ではまだはっきりとした結果は得られていませんが、今後の発展が期待されるところです。

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