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脳科学から見た統合失調症

3.統合失調症の治療薬

3-3これからの抗精神病薬

非定型抗精神病薬は錐体外路症状をひきおこさず、患者さんの側にとっても服薬しやすい薬なのですが、まだ理想の抗精神病薬とはいえません。
最近、非定型抗精神病薬の一部に血糖値を上げる作用のあることがわかり、糖尿病の患者さんには使いにくくなりました。
また、統合失調症の陰性症状や認知障害にたいしては、まだ効果が充分とはいえません。
ここでは、欧米ですでに発売されていて、日本でも発売になった新しい作用機序の抗精神病薬を紹介しましょう。 ひとつはドーパミン部分アゴニストです。 この薬物は錐体外路症状やプロラクチン分泌をひきおこさないので、非定型抗精神病薬に属するといってよいでしょう。
しかし、この薬物はドーパミンD2受容体を完全に遮断する作用を持たず、むしろ一部遮断しながら、一部刺激するという作用を持っているらしいのです(むずかしい言葉で部分アゴニスト作用といいます)。 そうすると、ドーパミンが多すぎるときにはその作用をおさえ、少なすぎるときには強めるということになります(図6)。


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ドーパミンの機能をちょうどよいところに保つといってもよいかもしれません。新しい作用機序の抗精神病薬として注目されるところです。
これ以外にも、開発段階でいろいろな抗精神病薬の候補物質があがってきています。今までの抗精神病薬は多かれ少なかれドーパミンとの関連から開発されています。
将来、ドーパミン以外へ作用する新しい抗精神病薬は生まれてくるのでしょうか?ともあれ、今後はより副作用の少なく、従来の抗精神病薬が苦手としていた陰性症状や認知障害にも効果のある抗精神病薬の開発が望まれます。

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