家族や身近な皆様に知っておいていただきたいこと

4.状態別 患者さんとの接し方ガイド

躁状態

とくに、激しい躁状態を伴う双極Ⅰ型の場合、はじめての躁状態に接した家族や周囲の人は、「あの人がこんな言動をするなんて、人が変わってしまった」と大きな驚きと戸惑いを覚えることでしょう。
躁状態の患者さんの言動は、あくまでも病気によるものであり、本来のその人の性格によるものではないことを忘れないでください。感情的にならずに、受診を促すことが大切です。
また、躁状態には普段は考えられないような浪費、たとえば、突然、車や高価な着物を購入したり、高額のローン契約をしてしまったりすることもあります。契約書が交付されてからでも契約を無効(クーリングオフ)にできる場合がありますので、なるべく早く消費生活センターなどに相談してみましょう。
躁状態では、本人には病気という自覚はなく、むしろ今の自分こそが本当の自分だと思っていることがあります。本人に病識がない状態で受診してもらうのは困難です。まずは、「このところまったく寝ていないから疲れが溜まって身体が心配だ」のように、精神の問題よりも身体を問題にして病院を受診させるとよいでしょう。
その際には、患者さんが最も信頼している目上の人から「病院にいってみるように」と指示してもらうと従ってくれることがあり、試してみる価値があります。
ただし、患者さんをだまして病院に連れていくことは、決してやってはいけません。躁状態でもそのときのことは覚えていますから、その後の家族関係にしこりを残すことになります。患者さんが入院を拒否しても、「病気を治すために入院してください」と本人にいっておけば、そのときは納得してくれなくても病状が落ち着いた後、きっと理解してくれるでしょう。
入院を拒絶し、症状の悪化と暴力行為がみられるようになった場合には、警察に相談することも考えましょう。

うつ状態

周りの方へのお願い
  • 躁状態のときの言動を責めないで
  • 怠け者として扱わないで
  • 以下のようなことは言わないで
    「頑張れ」「元気を出して」
    「薬に頼るな」「いつになったら治るの」
  • 愛情をもって優しく接してください

うつ状態のときにはできるだけ休養をとることが必要です。
うつ状態には、気分が落ち込む、やる気が出ない、外出できない、罪責感、眠れない(逆に過眠になる場合もあります)、食欲不振などの症状が出て動くことができず、患者さんにとってはとても苦しい時期だということを理解してください。
うつ状態のときには体を動かすことも患者さんにとっては大変つらいことなのです。仕事や家事が思うようにできないことについて理解して、サポートしてください。 躁状態のときの言動などについて責めないで、できるだけそっとしておいてあげてください。
躁状態でやってしまった失敗を一番後悔して苦しんでいるのはうつ状態のときの患者さん本人なのですから。
双極性障害は脳の病気です。糖尿病治療に服薬が欠かせないように、双極性障害の治療のためには服薬の継続がもっとも大切です。忘れずに服薬できるよう、サポートしてあげてください。
「頑張れ」や「いつごろ治るの?」という言葉は、動くこともつらいうつ状態の患者さんを焦らせ、苦しめてしまいます。あたたかく見守ってください。

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