HOME > 暮らしと仲間 > すまいる君が行く! > 【地域】ホテル業を通じた就労支援プログラム

すまいる君が行く!
すまいる君の突撃取材!地域の取り組みやイベントレポートなどを紹介します。

ホテル業を通じた就労支援プログラム
『ハートピアきつれ川』(栃木県さくら市)

2.卒業後の細やかなフォローが就労継続のポイント

一方、外部就労した卒業生たちの就労先は衣料品店やスーパーマーケット、食品会社などさまざまだ。社会復帰を目指して、5年前に故郷の釧路から単身でハートピアきつれ川を訪れた伊東勝俊さんは、卒業後は地元さくら市のスーパーマーケットにパートとして雇用されている。

伊東 勝俊さん(スーパーマーケット「ハーモニー」パート勤務)

ハートピアきつれ川に来て本当によかったと思っています。釧路の作業所では小遣い程度の収入にしかなりませんでしたが、今はちゃんとパートとして雇用されて、一定の収入がいただけるのがありがたいですね。研修当時は仕事がきつかったけど今となっては懐かしい思い出です。ハートピアきつれ川の仕事ができるようになれば、就労先でつらいことがあったりしんどいことがあっても乗り越えられるんじゃないでしょうか。
市営住宅に一人で住んでいますが、食事はハートピアきつれ川で食べています。一人暮らしだけど、名古屋にいる弟がときどき訪ねてくれるので寂しいことはないですね。ハートピアきつれ川のことを教えてくれたのも弟なんです。仕事が終わってから喫茶店に入って一服しながらいろいろと考えごとに耽るのが一番の楽しみですね。

伊東さんの仕事は入荷した品物を陳列する「品出し」。そのテキパキとした仕事ぶりに仕事に対する自覚と責任感が見て取れる。伊東さんの上司である関孝子さんも、今では仕事に慣れた伊東さんにほとんど任せっきりという。「たまに調子が悪いのかなと感じることはありますが、仕事に支障をきたすほどではないですし、そんな時はフォローするように心掛けています」と語る。
精神障がい者を雇用したのは伊東さんが初めてというスーパーマーケット「ハーモニー」社長の二階堂悦夫氏。精神障がい者の雇用についてどのように考えているか伺った。

二階堂 悦夫氏(スーパーマーケット「ハーモニー」社長)

障害者に対する先入観がなかったので、特に雇用にあたって不安はなかったですね。実際に雇用する前に、試用期間ということで伊東さんに働いてもらっていましたし、ハートピアきつれ川の職員の方が頻繁に顔を出していろいろと気にかけてくたりもしていましたのでなおさらでした。こうしたフォローがあるだけでも雇用主にとっては安心するんじゃないでしょうか。
伊東さんは几帳面なので、品出しや清掃の仕事も丁寧にやってくれてとても助かっています。障害があることをあまり意識することなく自然体で接していますが、それが一番よいのではないかと思います。

精神障がい者の就労が難しいのは、当事者自身が抱える困難もあるが、受け入れ側の雇用事業主においても間違った知識やそれに基づく偏見などがネックとなっている場合が少なくない。二階堂氏の言葉にあるとおり、もともと精神障がい者に対する偏見がなかったこととハートピアきつれ川の職員が頻繁に訪れて細々としたフォローを行ったことが伊東さんの就労がうまく進んだ要因といえる。ハートピアきつれ川ではこうした雇用事業者側への細やかなフォローを行うことで、卒業生らの就労を支援している。

桶谷 肇氏

現実には障害者が働くというのは生易しいことではありませんし、雇用主にとってもそれなりの理解と工夫が必要になってくるでしょう。それだけに就労した当事者に対するケアや雇用事業者へのフォローが大切になってきます。ちょっとしたつまずきで就労を続けることが困難になることも少なくありません。ですから、ハートピアきつれ川の職員は就労先に頻繁に顔を出して、ささいなことでも相談に乗って、力を貸すようにしています。そうしたフォローは当事者、雇用事業者がお互い信頼関係を維持しながら仕事を継続していく上で欠かせないのです。

ページの先頭に戻る

暮らしと仲間