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すまいる君が行く!
すまいる君の突撃取材!地域の取り組みやイベントレポートなどを紹介します。

地域の一員として生きる力を
社会福祉法人一麦会『麦の郷』(和歌山県)

3.【生活の場】麦の芽ホーム

【生活の場】麦の芽ホーム(生活訓練施設)

「麦の芽ホーム」は退院後の当事者が地域生活への第一歩を踏み出す拠点です。 当事者も「一人の地域住民として当り前に暮らす」ことを大切に考えているため、1990年の認可当時から全員内鍵のついた個室を提供しています。「訓練施設」からイメージされる“規則づくめの集団生活”とはちょっと違い、プライバシーが大切にされています。「息苦しい所では誰も暮らしたくはないでしょう。メンバーと信頼関係ができていれば、規則で縛らなくても問題など起こりません」(伊藤さん)。「昼間から裸になって着替えられる、そんなごく当たり前のプライバシーさえ当事者には与えられていないことが多い」と伊藤さんは憤ります。 慣れない生活の不安をいつでも相談できるよう、スタッフが24時間サポートしていますが、スタッフの中には「メンバースタッフ」と呼ばれる当事者もおり、メンバー達のよき相談相手として活躍しています。

松尾 照代さん(メンバー/麦の芽ホーム職員)
同じ人生なら、楽しい人生を!
再発のない10年間

3回の入退院を経て、10年ほど前に「麦の郷」に来ました。今は法人職員(メンバースタッフ)として、麦の芽ホームでの調理を受け持っています。地道にこつこつと働いて、地に足が着いた感じです。何より再発しなくなったし、よく眠れることが一番うれしいですね。薬を飲むのもオープンで何も隠し事をしなくていいですし・・・。

自分の時間を楽しむ

今はマンションで1人暮らしをしています。土曜、日曜は忙しいんですよ。お料理教室や水泳に通っているし、パッチワークも習っています。若い人達と一緒に習うのが楽しい。給料をためて海外旅行にも行っています。今が人生で一番幸せです。

病院にいる仲間たちのために

最近、医科大学の学生さんの前で話をしました。「麦の郷」のような施設をもっと、行政の力で増やしてもらって、病院にいる仲間たちを助け出して欲しい。元気な人はいっぱいいるんです。帰る所がなくて一生病院にお世話になるという人が多い。そういう人は院長先生に「一生この病院にお世話になります」と頼んでいるけど、「本心かな?本当は出たいんだろうな」と思います。同じ人生なら、楽しい人生を送りたいですからね。

雑賀良彦さん・智恵子さん夫妻(メンバー)
人生、絶対いいときはある!(良彦さん)

2人の給料を合わせて10万円、プラス障害者年金でアパートを借りて生活しています。2人で暮らすのはいいですね。家事など助け合いながらやっていけます。疲れている時に我慢していると絶対しんどくなるので、助け合っていかなければと。妻にはいろいろ話を聞いてもらっています。話すと気が晴れるし、妻にはこれからも今のままでいてくれたらと思っています。病院に長く入院している人も、絶対、何かチャンスはあるので、それを掴むか、掴まないかの差だと思います。「人生あきらめないで、絶対いいときがくるから」と伝えたいですね。


辛抱強い主人のおかげ(智恵子さん)

結婚できたのは「麦の郷」のおかげです。ずっと入院していたら結婚できなかったと思います。私は週3回作業所に行っていますが、夜は2人でビデオを観たりするのが楽しみ。今は地域の自治会の班長をしています。自治会費を集めたり、月報を配ったりとしょっちゅう近所の人たちの家に行っています。私たち夫婦がうまく行っているのは、私がボロクソに言っても主人が我慢して辛抱強く話を聞いてくれるから(笑)。できればもう少し体のことを考えて、主人にはタバコを少なめにしてほしいな。

市川みきさん(「麦の芽ホーム」スタッフ)
地域の草取りやゴミ拾いにも参加しています

メンバーが地域で当たり前に生活できるように支援しています。その人の弱い部分やできない部分を支援してあげると、ちょっと声をかけてあげるだけでできるようになることも多いのです。 メンバーは地域の一員として周辺の草取りとか、道路のゴミ拾いなども担っています。毎年5月の溝掃除や、12月に和歌山市が行う「1万人の大清掃」にも自治会の一員としてスタッフと一緒に参加します。回覧板も普通に廻ってきます。いずれここからグループホームやアパートで生活する時、こういうことが普通に、自然にできれば、と思っています。 メンバーは皆、すごく真面目。私たちにとってはごく些細なことでも、彼らが一人で抱えているとすごく大きな悩みに広がっていきます。何か不安になったら、悩みが小さいうちに何でも話をしてほしいといつも言っています。

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