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脳科学から見た双極性障害

研究の最先端と今後の方向性

双極性障害の原因はまだ完全には解明されていないため、さまざまな仮説があります。モノアミン仮説(ドーパミンなど、脳全体を幅広く調節している一群の神経伝達物質が変化しているという仮説)、細胞内情報伝達系仮説(モノアミンに対する細胞の反応が変化しているという仮説)、カルシウムシグナリング仮説(細胞内情報伝達系の中で重要な働きをしている、カルシウムが変化しているという仮説)などがあります。ミトコンドリア機能障害仮説もその一つで、細胞内ミトコンドリアの働きの障害によって、カルシウムシグナリングを含む細胞の働きが変化しているという仮説です。この説に基づいて、動物モデルが作成され、新薬の開発研究も進められています。

さらに、これらを総合して気分安定神経系仮説が提唱されました。双極性障害では、再発を繰り返すうちに、次第に再発しやすくなり、1年に4回以上、躁状態やうつ状態を繰り返すようになってしまいます。ドーパミンの働きを調節するなどして、気分を安定させている脳内の働きが、ミトコンドリア機能障害などによって、経過とともにだんだん弱っていってしまうためではないか、と考えられているのです。