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自立を支援する制度
1-1 精神障害者保健福祉手帳の交付と福祉サービス
(優遇措置・通院医療費公費負担金)


 精神障害者も身体障害者や知的障害者と同じように、精神障害者保健福祉手帳(以下、手帳)の交付を受けられるようになりました。手帳は精神障害者1人ひとりの実情に応じて自立と社会参加を促進するために設けられた制度で、各種のサービスや優遇措置が受けられます。福祉サービスの内容は自治体によって異なります。

参考:全国だれでも受けられるサービス
  • 税制上の優遇措置(税務署などへの申告が必要になります。)
  • 生活保護の障害者加算の手続きの簡素化(対象者は1級および2級の方です。)
  • 携帯電話の基本使用料金が半額(詳しくはご使用の携帯電話会社にお問い合わせください。)
  • NTTの電話番号案内(104)が無料(「ふれあい案内サービス」)
※手帳の1、2級は障害年金(1-3障害年金を参照)の1、2級と同程度、3級は障害年金の等級より広い範囲で定められています。
1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの

障害者本人だけでは日常生活の用を処理することが難しい、常時援助を必要とする状態。
 入院の場合は、身の回りのことはかろうじてできるが、ほとんど常に援助を必要としている。
 在宅の場合は、外出時は付き添いが必要であり、バランスのとれた食事を決まった時間に摂れない。洗面や入浴など身辺の清潔保持、日常の家事、金銭管理には援助が必要。
 自発性に乏しく、協調的な対人関係が構築できず、些細な出来事で病気の悪化や再発を起こしやすい。

2級 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

日常生活を送る上で、必ずしも常時援助が必要ということではないが、自発的で適切な行動はとりにくいときがある。食事や身だしなみなど日常生活上の助言を必要とする状態。
 通院(医療機関)あるいはデイケア、作業所など習慣化された外出は1人でも可能な場合がある。
 社会情勢や趣味、娯楽に感心が薄く、食生活や身辺の清潔保持、金銭の管理には助言、ときには援助が必要。
 大きなストレスがかかると1人では対処が困難で、社会的手続きあるいは文化的社会的活動への参加には援助が必要。

3級 日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

日常的な家事、対人関係づくり、社会的手続きや社会資源の利用など、十分とはいえないもののおおむね問題なく障害者本人が1人でできる状態。
 保護的配慮のある事業所などで就労している障害者も含む。
 家事はこなせるが、状況や手順の変化に柔軟に対応することは困難。
 普通のストレスでは病気の悪化や再発にはつながらない。
申請手続きは居住地の役所で本人が行うのが原則ですが、入院中など本人ができない場合は、本人の希望で家族または病院の看護師やケースワーカーが申請を代行することも可能です。また、交付(受け取り)も本人が行かれない場合は、家族や医療関係者が代行できます。
精神障害者福祉保健手帳の申請をしたいときは
障害年金の給付を受けていない人は…
申請に必要な書類
 申請書
 診断書(手帳用の書式による診断書で初診日から6カ月以上経過したもの)
※ 診断書は精神保健指定医が原則ですが、内科医など実際に診断と治療を受けている医師が作成したものでもかまいません。
障害年金の給付をすでに受けている人は…
申請に必要な書類
 申請書
 障害年金証書のコピーまたは直近の年金振込み通知書
 社会保険庁宛照会の場合の同意書
※ 障害年金の受給理由が精神障害ではない場合(知的障害などを併せもつ場合)は、医師の診断書が必要になります。
更新手続きと変更届け
手帳には申請から2年間という有効期限があるので、更新手続きが必要です。また、病気が重くなったり(あるいは軽くなったり)、都道府県をまたがって引越しをした場合は変更手続き、同じ都道府県内での引越し(市町村をまたがる場合も含む)による住所変更、氏名が変わった場合、本人が死亡した場合などは変更届けが必要です。
 各種の福祉サービス
 手帳を持っていると、バスや電車の乗車賃が割引になったり、税金の控除を受けることができるなど、さまざまな福祉サービスが受けられます。福祉サービスはそれぞれの市町村で異なっています。
 
制度区分
サービスの内容
障害者手帳1)
国
・
地
方
自
治
体
の
福
祉
制
度
生活保護 障害者加算の認定
○
手当等 特別児童扶養手当の受給
○
心身扶養共済制度の加入
○
特別障害者手当
○
障害児福祉手当
○
障害者自立支援法による福祉
サービス
居宅支援サービス 日中活動サービス 居住支援サービス
○
さ
ま
ざ
ま
な
福
祉
サ
|
ビ
ス
税制 障害者控除(所得税、住民税)
○
新マル優制度の適用
○
事業税の非課税
○
相続税の控除
○
贈与税の控除
○
利用料 NTTの104の電話番号案内利用料の免除
○
携帯電話の基本使用料の半額割引
○
住宅 公営住宅の優先入居
△
公団住宅の優先入居
△
その他 生活福祉資金の貸付
○
駐車禁止規制の適用除外
△
低料金第3種郵便の承認
○



制度区分
サービスの内容2)
都
道
府
県
・
市
町
村
の
施
策
公共利用施設の減免 公民館・美術館・博物館・公園・スポーツ施設など公共施設の利用料の減免
レジャー施設利用料の減免 映画館・水族館・テーマパーク・温泉などの利用料およびゴルフ場利用税の減免
運賃の減免 バスや電車、地下鉄などの運賃割引
タクシー運賃の助成 福祉タクシーの利用、タクシー券の配布
道路交通料の助成 有料道路の交通料の助成
税の減免 自動車税、軽自動車税金、車両取得税などの減免
駐車料金・駐輪場料金の減免 主に公的機関運営駐車場、駐輪場の利用料を減免
燃料費の助成 自動車のガソリン購入費の助成(タクシー券利用との選択など条件あり)
公営住宅の入居優遇 特別枠での募集、優先抽選など(所得により減免)で優先的に入居が可能
公営住宅の家賃減免 公営住宅の家賃の割引(所得により制限)
施設等通所費の助成 作業所など社会復帰施設への通所にかかる交通費などの助成
その他 CATV受信料の減免
インターネット通信料金の減免
上下水道料金の減免
配食サービスの実施
全家連発行『精神障害者が使える福祉制度のてびき2004』p.17より改変
1) ○は制度の対象、△は一部対象
具体的な制度の適用は、障害の程度、所得状況等で決定される。
2) 自治体によりサービスの内容は異なっています。

 優遇措置
   本人または家族が障害者手帳を持っていれば、税金が安くなる(障害者控除)という優遇措置が受けられます。
具体的には
 
  所得税
  住民税
  都道府県民税
  市長村民税
  相続税・贈与税
  自動車税
  預貯金の利子が非課税になる
  などで、等級により納めなければならない税金を安くできる便利な制度です。
手帳には有効期限がありますので、優遇措置の申請手続きに際しては注意が必要です。毎年申請しなければなりませんが、慣れればそれほど面倒な手続きではありません。居住地域の市区町村役場で申請の手順や、申請に必要な書類を確認しましょう。
 障害者自立支援医療(精神通院)制度
 
 平成18年4月から開始された制度で、精神科病院やクリニックに通院する際にかかる医療費の自己負担分を90%公費にする、つまり自己負担は10%にできるという大変助かる制度です。手帳があると簡単に申請できます。手帳や障害年金は申請までに一定期間を要しますが(例えば、手帳申請には初診日から6カ月以上経過した診断書の添付が必要)、自立支援医療(精神通院)制度は初診のときから利用できます。手帳がない場合でも、指定医の診断書を添付して申請できます。
自立支援医療の自己負担額は原則として医療費の1割負担ですが、世帯の所得によって1月あたりの上限額が設定されています。
区分 世帯の収入状況 上限額
生活保護世帯 生活保護 負担額:0円
 
低所得1
低所得2
市町村民税:非課税
 本人収入≦80万円
 本人収入>80万円
 
2,500円
5,000円
中間所得層
(育成医療)*
市町村民税<2万円未満(中間所得層1)
2万円≦市町村民税<20万円(中間所得層2)
10,000円
40,200円
一定所得以上 市町村民税≧20万円 公費負担の対象外
ただし、高額治療継続者(「重度かつ継続」)は、◆ 中間所得層1の負担上限月額:5,000円
◆ 中間所得層2の負担上限月額:10,000円
◆ 一定所得以上の負担上限月額*:20,000円
*施行後3年(平成21年)を経た段階で見直す。

自立支援医療(精神通院)制度の申請をしたいときは
 
申請に必要な主な書類
申請書
手帳もしくは障害年金の証書写しなど
(手帳がない場合は医師の診断書)
 
申請
※ 申請は無料です。申請場所は居住の市町村(市町村保健センターや役所の障害福祉課など)になります。
※ 有効期間が1年間ですが、継続申請をすることができます。
※ 診断書は所定の書式になっています。居住の市町村(市町村保健センターや役所の障害福祉課など)、ところによっては医療機関でも申請に必要な書類が入手できます。
※ 保険医療機関(病院・診療所・保険薬局など)は前もって指定する必要があります。

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